ワルダー

(キカイダー01)


 

 

 

 

 

 

 

 

 基本設定は悪くはなかったはずだが、使い方を誤ってしまった残念なキャラクターといえるのがこのワルダーである。

 「人造人間キカイダー」におけるハカイダーのようなライバルキャラを、ということで投入された。
善悪の判断ができない故に殺し屋に徹する非情さ。
圧倒的な強さでありながら、自身を「所詮殺し屋」と蔑むニヒルさ。
この基本設定なら、非常に魅力的なキャラクターになったはずだ。

 だが、善悪の判断ができない故に、判断ができる犬を嫌う…。
嫌うというより怖がっているのがオバケのQ太郎レベルで、これじゃただのギャグだ。

 また、ビジンダーと文通したり、「ゼロワンのように子ども達に好かれたい」などと言ったり、挙げ句の果てにはビジンダーに恋した若者に嫉妬するなど、完全に方向性を誤っている。
ミイラっぽく見えるその風貌も十分問題なのだが、ライバルとしてのキャラを誤ってしまったのが非常に残念だ。

 そもそも主人公であるゼロワンが完全無欠すきるのが問題だった。
キカイダーが持っていた「不完全さ」が出すドラマ性がないのだ。
それを補う形でビジンダーが登場したが、逆にゼロワンの完全さが強調されてしまった。
そこにワルダーが投入され、キャラがゴチャゴチャしてしまった感じがする。
実に残念なキャラクターだ。


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