ウデスパー(イナズマンF)


 ガイゼル総統率いるデスパー軍団の参謀として、ファントム軍団潰滅前から出現し、偵察行動をとっていた。
イナズマン第24話に初登場。ファントム軍団のミサイル基地を乗っ取り、続く第25話では基地を制圧してファントム兵士に「絵踏」を行い、帝王バンバを捕らえ、処刑しようとした。
次の軍団が前の軍団を積極的に倒そうとするという、悪の軍団の交代劇としては他に類を見ない強烈なものだった。
当時小学生だった作者は、「参謀」というのが、大幹部とどう違うのかわからなかった。
他のデスパー怪人とのやりとりを見て、幹部ほど偉くないのだろうかとおぼろげに感じてはいたのだが・・・。

 ファントム怪人が「○○バンバラ」だったのに対し、デスパー怪人は「○○デスパー」というネーミング。
腕にさまざまな武器をつけるので、「ウデ」と「デスパー」で「ウデスパー」と単純に考えていたのだが、後に新参謀兼デスパーシティ市長としてサデスパーが登場。
その時は全然わからなかったが、後に右大臣と左大臣というのを見て、やっと深い意味に気づいた。

 イナズマンとの最終決戦は、個人的にはかなりの名勝負だと思う。
二人の勝負をガイゼル総統とイナズマンの仲間・荒井誠がじっと見守っている。
特に普段冷酷に描かれているガイゼル総統がウデスパーをじっと見守り、ウデスパーが倒れた時の落胆の表情は名演技。
さすが名優安藤三男氏である。

 

 その後ウデスパーは、ウデスパーα(左)、ウデスパーβ(右)として復活する。
個々の戦闘力がウデスパーを上回るのに加え、必殺技クロスハリケーンでイナズマンを苦しめた。
しかし、αとβの呼吸が合わず、十分なパワーが得られなかったため、ガイゼルの命令で再改造されて合体ウデスパーとなる。
緒戦では圧倒的なパワーでイナズマンを追い詰めるが、動力回路がオーバーヒートして撤退、αとβに戻される。

 後に再び合体手術を受け、イナズマンとの最終決戦に臨む。
最終決戦は、ドラマ性も、ライバルとの決着という余韻もなく、名勝負とは呼べないものだった。
この時点では参謀はサデスパーが勤めているため、単なる用心棒という印象を受ける。
戦闘中の癖から目が急所だと看破され、目にゼーバーシュート(ゼーバーの稲妻部分を手裏剣のように使う)を受けて戦闘不能となり、イナズマンフラッシュで倒された。
この戦闘では、永年の宿敵との決着という印象はまるで感じられなかった。
αとβになった時点で元のウデスパーの人格や記憶は持っていなかったので、ウデスパーの転落になっていないのは救いと言えるだろう。


 ちなみに最初の合体では目の下の部分がαとβそれぞれの色のままだが、二度目の合体では黒くなっている。
最初の合体の方が強い印象があるのだが、オーバーヒートしたのだからしょうがないか。



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