ハカイダー その後
 ダーク潰滅の3年後、死んだプロフェッサー・ギルの脳を組み込んだハカイダーが出現した。
自分の分身ともいうべきレッド・ブルー・シルバーのハカイダー三人衆のボスとして。
(以下、キカイダー時代のハカイダーを「ハカイダー」、ギルの脳を組み込んだハカイダーを「ギルハカイダー」と呼ぶ。)

 ギルハカイダーは世界征服を実現すべく、ダークの遺した巨大ロボット・ジャイアントデビルの設計図を持つギルの遺児アキラを狙う。
しかし、突如出現したキカイダーゼロワンによって作戦は悉く阻止される。
三人衆を怪獣ロボットに変身させ、自身も地獄の王者ブラックドラゴンや四人衆合体ロボット・ガッタイダーとなってゼロワンに挑むが敗退、ハカイダー部隊は壊滅する。
その後、世界大犯罪組織シャドウの一員となるが、ゼロワンへの復讐に燃え、大首領ビッグシャドウに背いてまでもゼロワンに戦いを挑む。
しかし、結局ゼロワンに敗れ去る。
ビッグシャドウはギルハカイダーの頭部を回収、復元して最高幹部とする。
これ以降ギルハカイダーは「身も心も」完全なるシャドウの一員となり、「ギルの脳」も語られることはなくなる。

 このギルハカイダー、姿形と声は基本的にハカイダーと同じだが、胸の十字剣マークや顔の稲妻模様等、若干の相違点も見られる。
しかし性格はハカイダーとは似ても似つかない。
人質作戦を嫌い、常に対等な立場での戦いを望んでいたハカイダーとは全く正反対で、残忍、卑怯、卑劣何でもアリである。

 また、能力もハカイダーと比べると圧倒的に弱い!
単独はもちろん、四人衆が束になっても、10倍のパワーを出せるブラックドラゴンになっても、四人衆合体でガッタイダーになっても、全くゼロワンにかなわないのである。
能力についは、優秀な人物の脳がハカイダーの能力を高めるのであれば、光明寺博士より数段劣るギルの脳なのだから、劣るもの当然といえば当然だろう。
しかも、血液交換を行っているという描写はない(ギルはすでに死んでいるのだからやれるはずはないのだが)。
脳自体は生きているらしいが、血液交換型の方が高性能なのは、ダークが敢えて時間的制約のあるこちらを採用した点からも明らかだ。
また、性格については、後にシャドウがそうしたように、完全に洗脳したというのが自然だろう。
世界征服の野望をギルハカイダーに託すのであれば、それは必要不可欠だ。
また、正義の人・光明寺博士と邪悪なギルの違いが影響を与えている可能性も捨てきれない。

 








以上の点からギルハカイダーについてまとめると、以下のようになる。

1.弱い理由
 ハカイダーが天才的な光明寺博士の脳であるのに対し、数段劣るギルの脳であるため。
また、血液交換型ではないため。

2.性格が大きく異なる理由
 再生時に洗脳した。
但し、ハカイダーが清廉潔白な光明寺博士の脳であるのに対し、邪悪なギルの脳である可能性もある。

 ちなみに「キカイダー01」におけるハカイダーの登場には番組の制作事情が大きく関係している。
キカイダーシリーズの放送は土曜日午後8時。
スポンサー料が高いということもあり、予算的に非常に厳しかった。
そんな時、数着存在したハカイダーのスーツに着目した長坂秀佳氏の発案で、それを流用したハカイダー四人衆の登場となった。
また、ゼロワンの強さやシャドウ組織の大きさ、さらには続いて登場したビジンダーやワルダーといった新キャラの引き立て役となり、ギルハカイダーはどんどん情けなく描かれていった。
姿形(と声)以外はキカイダー時代のハカイダーとはまるで別人にしか見えないほどに。


「ハカイダーは二人いた!」

  雲のコーナーTOPへ